ソウキチ

Saltburnのソウキチのレビュー・感想・評価

Saltburn(2023年製作の映画)
5.0
『ソーシャル・ネットワーク』と『君の名前で僕を呼んで』を足したやつを観ていたら、いつの間にか『テオレマ』と『リプリー』になってた。しかしその実態は上記の作品群のすべてを裏切るスーパーバッドなブラックコメディであった。劇薬。

これまでの童貞俳優を過去のものにするバリー・コーガンのガチモンにしか見えないチー牛演技はキャリアハイに達している。あと『EUPHORIA』視聴者にはジェイコブ・エロルディの好演も嬉しい。キャリー・マリガンがクレジットされてた気がするが何処に出てたのか気がつかなかった。

前半のBloc PartyやMGMTがかかる大学生活のパートは世代なのでめちゃくちゃ楽しかった。ラストの種明かし的なシーンは蛇足感ありでちょっと萎えた。

持たざる者だけが持つ悍ましさを、完膚なきまでに救いなく描く今作は『ザ・メニュー』『ホワイトロータス』『ナイブズ・アウト』『サクセッション』などのブルジョワ風刺コメディ劇へのカウンターのように思える。ひとつジャンルのフェーズが変わった感じがしました。
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