みみ

Saltburnのみみのネタバレレビュー・内容・結末

Saltburn(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

予告見てドロドロ学園ものだと勘違いしてたけど、お家乗っ取りものだった。

ベースにあるのは『太陽がいっぱい』だろうな。乗っ取りものだと『下女』『召使い』辺りを思い出すけど(『パラサイト 半地下の家族』は"乗っ取り"と言うよりかは"掠め取り"系な気がする)、

今回の主人公は客人として家に招かれてるから、我孫子さんの『魔太郎が来る』のヤドカリ一家とか、荒木飛呂彦さんの『魔少年ビーティー』に出てくるそばかすの不気味少年とかがまだ近いのかな…?とも思う。同情心とか哀れみ?で家に招き入れちゃう感じ。まあ今回はオリヴァー単身乗り込みですけども。

オリヴァーの実家を訪ねるシーンがすごい怖かった。家族環境がとかじゃなくて、生まれつきそういう人なのねオリヴァー…

でもこれ招いた一家も普通に下衆いんよ。姉の「去年の子より楽しめそう」とか「いくら飽きたオモチャであっても…」発言から分かるように、招いた相手をひと夏のオモロいオモチャ程度にしか思ってないもん。

てか、母親が情緒不安定な友人を住まわせて飽きたら出て行かせるみたいな事を、気紛れに繰り返してきたんだろうな。母親がロンドンまで葬式に行くのが面倒くさいだとか、コレも彼女のアピールの1つよと言ってしまうあたり、ほんとオモチャとしか思ってないんだろうな。だから息子も同じような事やってるんだなぁと思ったり。

姉がバスタブで「てめえは窓の外でバタバタと惨めに飛んでる蛾だよ」ってオリヴァーに言ってやった所は好きだった。想いを寄せる彼からの拒絶と蛾の件は、結構キツかったんじゃないかな。

いぇーい!めちゃハッピ〜✌️てな感じで、ノリノリでまあるいお尻見せながらラスト踊ってましたけども、結局欲しかった友達(思い人)はおらんし、すぐに虚無りそうな気もする。

オリヴァーの彼への心酔っぷりや墓場の前で憔悴しきった様子を見てると、案外冷静になれない部分もあるのなと思ったり。『イヴの総て』や『人間昆虫記』に出てくるような人達やていると思うので、今は勝ち誇ってるオリヴァーやけども、下手すりゃ捕食される側に今後なることだってありうる…のかな?分からんけども。

まあ『ファントムスレッド』みたいな関係性になれれば幸せになれるんじゃないかな?知らんけど。あれ?


おまけ:
『パラサイト 半地下の家族』でもそうだったけど、もうちょっとしっかりした大富豪の奥様役がいたって良いんじゃないかしらと思ったり。弱った振りして油断させて刺す、みたいな。

『ハウス・オブ・グッチ』みたく、どちらかと言えばオリヴァー寄りの思考で大富豪の奥様ポジを取った人もいるだろうし。もうちょっと計算高い狡猾な奥様の反撃とか観てみたいかも。
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