兎人らびっと

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章の兎人らびっとのレビュー・感想・評価

4.1
原作未読。

謎の宇宙船が飛来しディストピア化した東京を、女子高生の日常と共に描く終末系SF物語…

ネットから飛び出してきた台詞表現の応酬と、
原発事故やコロナという"非日常"を経て一般市民が各々の『正義』を武器に生きる"日常”の描き方が見事でした。

2014年から2022年まで連載されていた漫画の映画化ということで
最初の宇宙船は原発のメタファーなんだろうけど、コロナ禍を経て「普通」の人々が
それぞれに信じたい情報だけを信じる世界線になった現代で、
自分と違う意見を持つ者を「情弱」と揶揄するという
皮肉った風刺的な脚本がイタいところをついてくるが、それが何故か痛快さとなって観客をチクチク刺してくる。

おんたんのお兄ちゃんがまさにネット民そのもので笑ってしまった。

粛々と任務を遂行する”オトナな"自衛隊員とこれからオトナになる者たちの「仰げば尊し」をクロスさせて描いていたシーンとても上手いなと感心。

あのちゃん、幾田りらともに
キャラクターと声が合っていたと思うし
主題歌と世界観も合っていた。

後章の公開が延びたのは残念だけど、
それまでに前章を観るチャンスが延びたと思いたい。
兎人らびっと

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