ブラック白石降臨。
出演者による数々のハラスメントが気分を悪くする白石晃士監督によるフェイクドキュメンタリーの新作、「超・悪人」や「バチアタリ暴力人間」、「殺人ワークショップ」に近い。ブラック白石が降臨するのは久しぶりじゃないかな。なお、【劇場版】と銘打ちながらもこれまでシリーズにはなったことがない新作だ。
フェイクの投稿動画で構成されており、最初のロケ地は心霊スポットで有名な奥多摩湖ロープウェイ。廃墟としても美しい。たしか「バチアタリ暴力人間」でも使っていたロケ地だが、このロケ地におけるかいばしらと有川舞衣子のやり取りが最高でグッとドラマに引き込まれる。やっぱりフェイクドキュメンタリーには両者のような自然すぎる演技は必要不可欠なんだと思う。その後の沖田遊戯と清瀬やえこのPOV動画も胸糞で最高。本作ではかいばしらと沖田遊戯というYoutuberを起用しているが、フェイクドキュメンタリーではYoutuberは効果的なのかもしれない。（清水崇監督の「村」シリーズでは必ず役柄としてのYoutuberが登場するが、女優の演じるYoutuberは大袈裟すぎて笑いは取れるがリアルではない。）
投稿動画には一応心霊っぽい影が映り込むがそれらに怖さはなくて、あくまでも登場人物の異常な行動が怖いヒトコワ系のホラーだ。これはブラック白石晃士が得意とするところであろう。
白石監督が意識しているのかいないのかは分からないが、かいばしらが演じるクズ男と呼ばれる行動を実際に取っているシーンが登場しない。クズであることが事実なのか虚実なのかどうもはっきりしないままに終わる。これが気になって仕方が無かった。
シリーズ化するのであれば、おそらくはカラメと呼ばれる謎の女がまた登場するんだろうなぁ。。。劇中の白石晃士とカラメの絡みを期待する。
