ユウト

中島みゆき 劇場版 夜会の軌跡 1989~2002のユウトのレビュー・感想・評価

5.0
中島みゆきさんファンの私でさえ
(かなり昔に発売されているソフトをそのまま映画館にかける、しかも当日料金3,300円?)
と驚きは隠せず。
ただファンの哀しいところは、それでも初日に期待して足を運ぶ。
5.1chサラウンド&劇場用最新デジタル・リマスター版として、クリアで柔らかい音質は評価できる。
(画質はもともとの素材が古いので仕方ない。
限界を感じる。)

オープニングに瀬尾一三さんのインタビュー映像が。
瀬尾さんはビジュアルもイケオジである。
瀬尾一三さんは夜会の最高の理解者だと私は思っている。
瀬尾さんが夜会の音楽監督・アレンジャーで良かった。
瀬尾さんでなければ夜会はここまで完成されなかった、とさえ思っている。
もちろん夜会は中島みゆきさんの有り余る才能がほとばしるステージである。
ただ中島みゆきさんに多くの才人が携わり、夜会が伝説になったのも、しかり。

映画監督、根岸吉太郎さんが夜会映像版を監督した『金環食』『シャングリラ』『2/2』『海嘯』をスクリーンで観ると、
やはり根岸監督、女性を綺麗に撮るのが巧いなぁ、
と素直に唸った。
みゆきさんがとても素敵で可愛く、綺麗だった。

日本語を初めて美しいと思ったのは、中島みゆきさんの歌から。
あれから私の中で40年以上経っても、いまだにその思いは続いたまま。
その作品に飽きることがない。
みゆきさんの、言葉を敬い、言葉に大切なメロディを贈る作家性を尊敬してやまない。
本作も自然と『二雙の舟』『砂の船』『紅い河』『白菊』『六花』『記憶』を口ずさむ。
渋谷Bunkamuraシアターコクーンで体験した夜会の感動が、よみがえる。
ユウト

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