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Ryuichi Sakamoto | Opusのupfieldのレビュー・感想・評価

Ryuichi Sakamoto | Opus(2023年製作の映画)
4.2
晩年の坂本龍一は音が消え入るまでの減衰音を好んでいたけれど、それは命が消え入るまでの自分自身の姿をそこに見ていたのではないかと思った。
老いた肉体から今なお溢れる創造の意欲を感じた。
最後のopusが終わらないでくれと思った。寂しいですよ。
坂本龍一最後のピアノコンサートであり、命が尽きるまで音楽家であろうとする坂本龍一の姿を捉えたれっきとした映画だった。
ここまで内面に入り込めたのは監督が実の息子だからだろう。
苦しみに顔を歪める姿も余す所なく捉える。緊張感が途切れなかった。
個人的には『Happy End』がラスト近くで演奏されたのがうれしかった。
実は教授のピアノ曲で一番好きなんです。ウインターライブのバージョンもいいですけどね。
FMのB-2 Unitsのライブで初めて聴いて、それ以来ずっと好きな曲でした。
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