Paula

スキンフォード:処刑宣告のPaulaのネタバレレビュー・内容・結末

スキンフォード:処刑宣告(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

"Immortality is a death sentence"
このテキストは...
前作にあたる2018年製作の映画『Skinford: Chapter Two』のタグラインであり、キャッチフレーズとして作中、邸宅の鏡に血文字で描かれ... そして本作『Skinford: Death Sentence』では

"A touch of immortality is a death
sentence"

と謳われている...  でも

このフランチャイズものは、はっきり言って、トリロジー全作品を2017年に既に完成させていると思われる。
その訳は、二作目と三作目の導入部、つまりプロローグで不死身の女ゾフィアと金欠でお調子者のスキニーとの運命的な出会いから物語が始まるのがほぼ同じで、内容的にもクロスする部分が多く、しかも非道的悪魔のトイ・ドールギャング団のボス、コヴァークを演じた当時13才だったココ・ジャック・ギリーズという女優さんが三作とも容姿が変わらないという事が挙げられる。今年の彼女のポートレイトを見れば、その事がよく分かります。(本フランチャイズの第一作目は、トレーラーだけで本編は未見。)

小さいくせに、その彼女が残虐性の塊なのが
I don't like it when my toys are taken
away from me before I've finished
playing with them.
I have my orders.
Red's my favorite color. 
赤色がお好きって、目的語のなんのが抜けているので!? エヘッ、エヘッ、ヘ~ェ

前作『Skinford: Chapter Two』では、不死身の女ゾフィアが何故、どのようにして永遠の命が得られたのかを振り返り探るストーリーがメインとなっている。その為、日本ではあまり聞きなれない、主に家事手伝いをして家庭に住まわせてもらうオーペア制度を利用して大富豪の女性であり、不死身の体を得る原因となったキーパーソンであるヘレンの家に手伝いとして住むことになる1920年代の時間軸とスキニーと出会った現代の時間軸がノンリニャー・ナラティブで描かれ、物語自体が交差するので因果関係が直接的でなかったり、並行した複雑なプロット展開で映画は進行していく。それが現代の話と絡み合うように記憶の足取りを追う形となっている。そして、その場面の一部には三作目と深くつながるプロットも存在している。
まぁ~、セリフのある女性陣は、とにかく、惜しげもなく脱ぎっぷりが良いのでエロティックそのものであるためか、三作の中でも一般的に一番評価が高い。

そしてトリロジーの最終話である本作『Skinford: Death Sentence』
人体爆破と言えば... 
今年公開された『Crimes of The Future (2022年)』を製作したデヴィッド・クローネンバーグ監督による『スキャナーズ』を代表するようにルトガー・ハウアー主演の1991年の『Wedlock』や翌年のクリストファー・ランバート主演映画『FORTRESS』なんて思い出される人体爆破の描写...でも
この映画に関してだけ言えることは10人以上の女性がドミノ倒しのように次々に爆破されるためか?風船玉のように人体が破裂するように描かれているので見た目は面白いかもしれないけれど手抜きような安直さが分かるし、マッド・サイエンティストの女性たちをいたぶる実験室のありふれた造形物や雰囲気が監督が視覚効果出身とは、少なくとも言えないかもしれない。ただ、ゴア表現のギミックだったり、メーキャップや女性たちを乗せたトラックにマシンガンで開けられた穴から差し込める暗闇を照らす光をゾフィアと女性たちにあてるシーンはイエスの復活を最初に見届けるマグダラのマリアのようなたたずまいのようにも見える。少しオーバーな表現です。

非線形の語り口という手法を第二作目で多用したフランチャイズ映画。その欠点であるストーリーの辻褄が合わなくなったり、見ている側が理解できない場面場面のつながりであったりとしかも、スキニーが親父さんがどんな人間だったのかもしらない脚本は動画してるぜ!付け加えるとラストにチャイルド・ボスのコヴァークの身の上に起こることは面白くする過剰演出としか個人的には見えてこない。

"A touch of immortality is a death
sentence"
ラストまで見れば、このセンテンスの意味が何を表現したいのかもわかり、その為に本作のスローガンにした理由も見えてくるかも?

大きなお世話さまとして、一言?
仮に二作目を見る機会があっても見る必要はないかなって、(*^.^*)エヘッ
Paula

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