ぶみ

スキンフォード:処刑宣告のぶみのレビュー・感想・評価

スキンフォード:処刑宣告(2022年製作の映画)
3.0
不死身の女たちの復讐が始まる。

ニク・カチェフスキー監督、ジョシュア・ブレナン、シャーロット・ベスト主演によるオーストラリア製作のアクション。
不死身の女性と行動をともにする主人公が、犯罪組織に対峙する姿を描く。
主人公となる男性・スキンフォードをブレナン、不死身の女性・ゾフィアをベストが演じているほか、ゴラン・クルート、ロジャー・シベラス、ココ・ジャック・ギリース、リック・ハーバート等が登場。
物語は、謎の組織に追われるスキンフォードが穴を掘ったところ、女性の手が出現、助け出そうとそれに触れると銃で撃たれても死ななくなるというはてなマークが浮かぶシーンでスタート、以降、父親の治療費を工面しようとするスキンフォードと、謎に不死身のゾフィアが行動をともにすることとなり、時系列も入り乱れてくるため、これは一体何の話なんだろうと思うこと多々あり。
しかし、ゾフィアと手錠で繋がれている限り、スキンフォードも無敵状態であるという基本的な設定さえ落とし込めば、何となく理解できたのは良かったところ。
公式サイトや予告編では、「女体連続爆発!」の文字が躍っていたり、下着姿の女性がトラックに積み込まれていたりと、どちらかと言えば、エロティック・スリラー的な雰囲気を醸し出しているのだが、実は主眼はそこに置いていないため、妖艶なシーンがあるにはあるものの、基本バイオレンス・アクション的な展開がメイン。
ただ、グロいかと言うと、直接的な表現は少なく、ハイライトとも言える女体爆発は、そのキレの良さから風船が爆破しているようであることから、もはやコントのようであるため、グロいシーンが苦手な場合でも、それなりに大丈夫な仕上がりとなっている。
クルマ好きの視点からすると、女性陣が積まれている車両が古いトヨタ・ダイナと思しきトラックなのだが、あるシーンでは、右側のみフォグランプが点灯していたのが、次のシーンでは左側のみになていたり、はたまた停車した際にはヘッドライトがハイビームを含めた4灯が点灯していたのに対し、誰も触れていないのにロービームのみの点灯になっていたりするのが気にはなったが、もはやB級あるあるとして受け流すしかない。
また、謎の組織のボスらしき人物が、やたら背が高いイーサン・ホーク似だったことと、もう一つの組織のボスを演じた子役(?)の俳優の演技がやたら印象に残ったところ。
設定に対する説明不足は否めないものの、バイオレンス・アクションとしてはそれなりの仕上がりとなっており、エクストリーム配給作品は最近観た中では、『アドレノクロム』や『キラーカブトガニ』といったぶっ飛び作品と、『奇蹟の人/ホセ・アリゴー』や『PIGGY ピギー』といった一見ふざけてそうなのだが、中身は至って真面目という大きく分けて二つの路線があるのだが、本作品は、ちょうど中間あたりを行くふざけ具合であるとともに、全国に数多くあるイオンシネマの中で、唯一こどもと一緒に映画を楽しめるよう、劇場内にスライダーやジャンピングボムといった遊具を備え、柔らかいクッションでゆったり座れるシートになっている「げんきッズシアター」を、公開二日目にして貸切で堪能することができた一作。

あんたは月に殺される。
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