ひろ

SUNRISE TO SUNSETのひろのレビュー・感想・評価

SUNRISE TO SUNSET(2023年製作の映画)
5.0
ライブでヘッドバンキングをしながら音楽を聞くと、立ってる時の腰くらいの位置で届く音、頭の位置で届く音を交互に聞くことになるんだけど、腰の位置の音は観客の壁に阻まれて籠った音になるんだよね。で頭の位置だと爆音で、交互に鳴り響くからグワングワン鳴るんだ。モッシュピットで騒ぐのもその場で飛び跳ねるのも、アーティストとオーディエンスみんなで歌うのも、アドレナリン出まくって楽しくて。

まだ色んなものに敏感で、過剰に傷付いたり悲しんでたりした10代の頃、どうしようもなくなった時は1人家の中でラウドロックを聴いていた。笑っちゃうけど、1人で頭振りまくったり飛び跳ねたり歌ったりするんだよ。ライブに行った時のアドレナリンが出まくる感じを脳みそで再現する、そうするとちょっと元気が出て明日も生きるかーってなれてた。

社会人になりたてで朝会社に行くのが辛い時は、Weight of my prideを聞いて奮い立たせてた。仕事が泥沼にハマって辛くて、ずっとこのままだったらどうしようって不安になってた時はAnother day comesを聞いて前を向いてた。何度も何度も、PTPの音楽に寄り添ってもらえた人生だった。

正直、Kが生きていた頃はまだPTPにそんなに深く触れていなかった。なのでライブも行けていない。BLARE FESTは行けなかった。だからKがもう居ないってことにあんまり現実感がなかったんだ。俺の中では、まだしっかりケジメついてなかったんだよね、この映画を観て気付いた。
映画の前半は結構我慢してたけど、BLARE FESTでの演奏、そして活動休止してから何年も経ってるのに皆がPTPの音楽を大好きなのを後半で観て、涙止まらなくなってしまった。
本当、天国があるなら、見せてあげたい。こんなにも多くの人があなたのことを好きだし、俺はあなたが死んだ後にあなたに人生を救われてる。ずっと残ってんだよ、多分忘れられない。

身近な人を大切にして、仕事の余白も大切にして。あと、自分が好きなモノに対して全力で向き合って生きよう、それで人生楽しくなるし、楽しく生きるのが人生だからって強く思った。「ナントカは推せる時に推せ」とかそういう話ではなく、何かや誰かが好きなありのままの自分をそのまま生きていこうと思った。って、STAY REALのパフォーマンスを観た時にも思ったはずなんだけどな。まあ今度は忘れねえよ。
ひろ

ひろ