世間との感覚のズレを感じる物書きがやけくそになって、世間が黒人作家に期待するベタな風刺小説を書いたら絶賛され、映画化まで決まってしまう。
この反応に納得がいかないけれどアルツハイマーを発症した母の施設入居でお金がいるから渋々…というストーリーも皮肉なら、台詞も皮肉の嵐。
偽名を使い、素性を隠して出版するも『服役歴のある悪い黒人作家』というキャラで売り出されて余計に話がこじれる、映画のラストは警官に撃たれる案が絶賛される…とか笑うのが不謹慎と思われることも軽快に痛快にぶち込んでくる。
作品を産み出す者として、世間の好みや流行りにどう折り合いをつけるかという壁と黒人ならではの求められる『リアルな黒人』の苦悩。卑屈でひねくれた黒人作家が人種問題をやれやれ🤷🏿といった感じで面白い会話劇にしてる今までにない切り口の作品。
