MasaichiYaguchi

サンクスギビングのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

サンクスギビング(2023年製作の映画)
3.8
クエンティン・タランティーノ監督とロバート・ロドリゲス監督がタッグを組んだ2007年の映画「グラインドハウス」内に収録されたイーライ・ロス監督によるフェイク予告編「感謝祭」を、ロス監督自ら長編映画化した本作は、残虐な描写にこだわった映像で我々を震え上がらせる。
感謝祭発祥の地とされるマサチューセッツ州プリマス、年に1度の祝祭に人々が沸き立つ中、ダイナーで働く女性が何者かに惨殺される事件が発生する。
その後も相次いで住民たちが姿を消し、感謝祭の食卓に並ぶご馳走に模した残酷な方法で殺されていく。
街中が恐怖の底に突き落とされる中、地元の高校生ジェシカたちは、ジョン・カーヴァーを名乗る謎の人物のインスタグラム投稿に自分たちがタグ付けされていることに気づく。
投稿を確認すると、そこには感謝祭の豪華な食卓と共に、ジェシカたちの名札が意味深に置かれていた。
感謝祭発祥の地であるこの町の住人たちは皆、この祝祭に対し、夫々並々ならぬ思いを抱いている。
セールで一儲けしようと企む、大型量販店の経営者とその後妻、その経営者の娘で、継母との折り合いに悩む高校生のギャビー、その高校生を取り巻く親友の女子たち、今彼や元彼、経営者をよく思っていない大型量販店の従業員やその家族、これら住民たちの欲望や、凄惨な事件に対する不安や疑心暗鬼が渦巻いていく。
果たして連続猟奇殺人の背景は、そして真犯人は誰なのか、終盤は怒涛の展開に突入します。