MasaichiYaguchiさんの映画レビュー・感想・評価

MasaichiYaguchi

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ハイゼ家 百年(2019年製作の映画)

3.8

旧東ドイツ出身の映画作家トーマス・ハイゼが、モノトーンの映像に被せて自身の家族史を語る3時間38分のドキュメンタリーからは、2度の大戦、ナチスの台頭、それによるホロコースト、冷戦による東西分裂、秘密警>>続きを読む

なんのちゃんの第二次世界大戦(2020年製作の映画)

3.7

ロケ地である淡路島を舞台に、太平洋戦争の平和記念館設立で市長再選と身内の過去を改竄しようと目論む現職市長の清水昭雄と、そうはさせじとするBC級戦犯遺族である南野家の人々の攻防を笑いを交えて描く本作を観>>続きを読む

大綱引の恋(2020年製作の映画)

3.6

「半落ち」「陽はまた昇る」等の映画やテレビドラマの数々を手掛け、昨年3月に急逝した佐々部清監督の遺作の最後に監督らしい言葉が出てくる。
人との出会い、映画や音楽等の作品との出会いが如何に人生に潤いや豊
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ゆかちゃんの愛した時代(2018年製作の映画)

3.5

まさか昭和、平成に続いて三つ目の元号を生きる事になるなんて夢にも思わなかった。
ただ考えてみれば私の祖父母は明治生まれだから、彼らも三つの時代を生きた大先輩ということになる。
この短編では平成元年生ま
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泣いたことがないなんて、嘘つきめ(2020年製作の映画)

3.2

映画監督とミュージシャンがコラボして映画を制作する映画祭「 MOOSIC LAB 」では従来の邦画の枠組みからはみ出したユニークな作品が発表されるので楽しみだが、「MOOSIC LAB [ JOINT>>続きを読む

さつきのマドリ(2021年製作の映画)

3.5

恋人を探すことは賃貸を探すことと似ている。
世の中には多くの賃貸物件があって、人はその中の一つを選ぶ。
同じように世の中には魅力的な異性がいて、普通はその中の一人を恋人として選ぶ。
「アルプススタンド
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クワイエット・フレンド 見えない、ともだち/ゼット 見えない友達(2019年製作の映画)

3.1

本作と同様にイマジナリーフレンド(空想上の友達)のホラー物というとティム・ロビンスの息子マイルズ・ロビンスとアーノルド・シュワルツェネッガーの息子パトリック・シュワルツェネッガーが共演した「ダニエル」>>続きを読む

3人の信長(2019年製作の映画)

3.2

本作は永禄13年の織田信長軍の金ヶ崎の戦いでの敗走を題材に、その機に乗じて今川義元の仇を討たんとする元今川軍の残党と、彼らに捕らわれた信長本人を含めた影武者たちの知恵比べを笑いを交え、推理仕立ての時代>>続きを読む

デカローグ デジタル・リマスター版(1989年製作の映画)

4.3

ポーランドの“愛の映画作家”クシシュトフ・キェシロフスキ監督の聖書の十戒をモチーフにした伝説の傑作が、このコロナ禍の真っ只中にデジタル・リマスター版で公開されるのも何か運命的なものを感じてしまう。
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海辺の彼女たち(2020年製作の映画)

4.0

「外国人技能実習制度」で来日している人々が低賃金、重労働の仕事に就き、しかも残業代の未払いやパスポートの取り上げという人権侵害を受け、ブラック企業の餌食になっているということはニュース等で知っていたが>>続きを読む

星の王子ニューヨークへ行く2(2021年製作の映画)

3.5

エディ・マーフィの代表作の一つの続編がオリジナルキャストで33年振りに登場するとはまさか思わなかった。
前作で自分の心に従い、伝統を無視して愛するアメリカ女性と結婚した主人公のアキーム王子が父であり国
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不夜城の男(2020年製作の映画)

3.4

このクライムドラマでは夜の街で成り上がった主人公チャヌが、芸能人の薬物乱用事件を切っ掛けに裏社会や政財界の闇に巻き込まれ、「思考は現実化する」を合言葉に仲間たちと頭脳戦でサバイバルしていく様をスリリン>>続きを読む

無限ファンデーション(2018年製作の映画)

3.7

本作に出演もしていている西山小雨さんの楽曲「未来へ」を原案に、「お盆の弟」の大崎章監督が主演の南沙良さんをはじめとしたキャストたちの即興芝居で繋いでいった青春映画は、10代の若者たちの夢や希望、不安や>>続きを読む

妖怪人間ベラ(2020年製作の映画)

3.3

テレビアニメ「妖怪人間ベム」をリアルタイムで観た1人として、現在に話を移し、妖怪人間ベラを主人公に“その後”をどう実写化して描くのか、やはり興味津々となる。
アニメ版のベラは成熟した女性だが、本作では
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別に、友達とかじゃない(2020年製作の映画)

4.1

群馬県桐生市を舞台に女子高生3人の卒業前後のやり取りを恰も“定点観測”のように描いた本作は、上映時間40分という短編ながら会話劇の面白さをぎゅうっと濃縮したような感じがする。
この青春映画はYouTu
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Eggs 選ばれたい私たち(2018年製作の映画)

3.6

子どものいない夫婦に卵子を提供するエッグドナーを題材にした本作であるが、生理の観点から現代を生きる女性を浮き彫りにしていて、異性ながら共感するものがある。
世界的な保守化傾向から益々女性に対する固定観
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FUNNY BUNNY(2021年製作の映画)

3.5

飯塚健さんのオリジナル戯曲を自ら監督し、中川大志さん主演で映画化した本作は元々演劇だったこともあり、登場人物たちが発する一つ一つの台詞や、やや現実離れしたストーリー展開によって浮き彫りにされたテーマが>>続きを読む

グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告(2020年製作の映画)

3.4

今年のゴールデンウィークは田舎に行ってお爺ちゃんやお婆ちゃんに孫が会えるような状況ではなくなってしまったが、三世代が同じ家で短期間過ごす分にはトラブルも無く、楽しいものになると思うが、本作のように長期>>続きを読む

stay(2019年製作の映画)

3.6

自由を求めて過疎村の持ち主のいない古民家に不法滞在する男女5人。
ある日、そこへ村役場から退去勧告に矢島がやって来るところから物語は幕を開ける。
本作における矢島がユニークで、初っぱなから退去勧告にや
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ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

4.3

第78回ゴールデングローブ賞、第48回アニー賞、第74回英国アカデミー賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞、そして第93回アカデミー賞長編アニメーション賞受賞と数々の栄冠に輝いたディズニー&ピクサ>>続きを読む

戦場のメリークリスマス 4K 修復版(1983年製作の映画)

4.0

公開時に観て、その後地上波のテレビ放映で観ているが、映画館で再鑑賞するのは38年振りになる。
4K修復版というクリアーな映像で本作を観ると、大島渚監督の世界観や人間観、そして美学に改めて魅せられ、更に
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カリプソ・ローズ(2011年製作の映画)

3.7

トリニダード・トバコを中心に発達したカリブ海地域の音楽「カリプソ」は知っているし、夏になるとBGMで聴きたくなる音楽だが、本作で取り上げられたトリニダード・トバコを代表する国民的シンガー、カリプソ・ロ>>続きを読む

スプリー(2020年製作の映画)

3.3

SNSをしている人なら誰でもフォロワーを多く得て、自分のことを見て欲しい、評価して欲しいという承認欲求があると思う。
そこでバズりたいと凄技を披露したり、奇抜なことをしてみたりする。
更に有名人とのツ
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SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)

3.8

18歳以上の3人の女優が12歳という設定でSNSに登録して友達募集したら、どうなるかを検証したこのドキュメンタリーを観ると、同性ながら彼女たちに群がった男たち大半の醜悪さ、欲望丸出しの有り様に情けない>>続きを読む

ブックセラーズ(2019年製作の映画)

3.5

紙の本が売れない、出版不況と言われて久しいが、世界最大規模のニューヨークのブックフェアの裏側から、業界で有名なブックディーラー、書店主、コレクターや伝説の人物、そしてニューヨーク派の錚々たる作家たちの>>続きを読む

るろうに剣心 最終章 The Final(2021年製作の映画)

4.0

和月伸宏さんの人気コミックを大友啓史監督が佐藤健さん主演で実写映画化したシリーズも、遂に最終章2部作で遂に完結。
第1弾である本作は原作の最後のエピソードである「人誅編」をベースに、剣心と因縁浅からぬ
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クリシャ(2015年製作の映画)

3.7

「WAVES ウェイブス」のトレイ・エドワード・シュルツ監督の長編デビュー作は、菊池寛の「父帰る」のアメリカ版「母帰る」を思わせるような内容だが、この映画は監督の実体験を基に、自らや親族が多数出演して>>続きを読む

街の上で(2019年製作の映画)

4.3

約1年公開延期した今泉力哉監督の本作の舞台となっている下北沢は、私にとって演劇の街という印象が強い。
本多劇場、ザ・スズナリ、駅前劇場、下北沢「劇」小劇場等、一つ街に幾つもの劇場が密集し、更に劇団東京
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くれなずめ(2021年製作の映画)

3.8

社会人になったり結婚したりすると、一緒にバカをやる友人を持つことは難しい。
本作では、友人の結婚披露宴で赤フンダンスという余興をやる為に5年振りに集まった高校時代の仲間たちが、本番でスベってしまったパ
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剣客(2020年製作の映画)

3.8

17世紀、大陸での明と清の中華の覇権争いに巻き込まれた朝鮮王朝内で生き残りをかけた対立が激しくなり、国の不安定な状況下、その混乱に乗じるように清の使者で武人のクルタイが都で横暴の限りを尽くしている。>>続きを読む

聖なる蝶 赤い部屋(2021年製作の映画)

3.3

江戸川乱歩の「悪魔人形」を現代的に翻案した本作は、生徒を盗撮して罷免された高校教師・杉浦と、その彼に以前、優しくされたことで惹かれた女子高生・ルミの歪んだ純愛物語が凄絶に耽美的に繰り広げられる。
この
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ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから(2019年製作の映画)

3.8

「あしたは最高のはじまり」のユーゴ・ジェラン監督と「エール!」の製作陣がタッグを組んだ本作はファンタジー仕立てのラブストーリーだが、自らの成功で自己中となった主人公がパートナーを顧みなくなり、そのこと>>続きを読む

レッド・スネイク(2019年製作の映画)

3.6

この作品と同内容の映画で2019年公開の「バハールの涙」があるが、二つの作品の違いは、片や母として一人息子の為、此方は姉として弟を救う為に戦いに身を投じていく。
そしてバハールと共に戦うのがクルド人女
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約束の宇宙(そら)(2019年製作の映画)

3.5

欧州宇宙機関(ESA)が全面協力して、ドイツ、ロシア、カザフスタンの宇宙関連施設で撮影しているので、エバ・グリーン演じるシングルマザーの宇宙飛行士サラの訓練シーンが本格的で、更に宇宙飛行士として職務に>>続きを読む

万歳!ここは愛の道(2019年製作の映画)

3.8

コロナ禍の影響で街中で若いカップルが抱擁したり、キスしているところを見掛けなくなって久しいが、達上空也監督が恋人関係の同様に監督である福田芽衣さんとの日々をセルフドキュメンタリータッチで描いた本作を観>>続きを読む

名探偵コナン 緋色の弾丸(2021年製作の映画)

3.8

公開が約1年延びたこともあり、上映前の劇場は待ちに待ったファンたちの熱気が溢れている。
世界最大のスポーツの祭典「WSG」と世界初の「真空超電動リニア」という二つのモチーフを軸に、「WSG」のスポンサ
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