せいけ

マリの話のせいけのレビュー・感想・評価

マリの話(2023年製作の映画)
4.7
ああ、こうなるだろうな、ということはこういうことかなどと予想の範疇に収まらない映画。あの映画作家を想起せざるを得ない、時系列・虚実が入り組んだような構成に見入ってしまう(果たしてそれも虚実と言えるのか?)一筋縄にいかない展開に癖になり何度も見返したくなる。ただ、そんな解釈がどうのという問題は脇に置いておくとして、そこに映っている時間はときに滑稽でときに温かくときに静かで激しく見入ってしまう。
いるだけで存在を見守りたくなる俳優たちの魅力と独特なロケーションが面白い。シンプルな面白さから脇道に逸れていくような(そういえばこの映画は物理的に脇道が多い)この作品ならではの魅力は多くの人に届くか分からないけれど、自分は確かに感じました。
高野監督、これからも撮りたいもの撮ってください!