Paula

シャクラのPaulaのレビュー・感想・評価

シャクラ(2023年製作の映画)
3.0
ドニー・イェンによる初監督作品『ドラゴン危機一発'97』から既に26年が経ち、今回は何度もドラマ化や映画化された武侠小説『天龍八部(英語題名:Demi Gods and Semi Devils)』を原作にドニー・イェンが監督を務めたとされるけれど、そこには、裏がある。それは、
彼が単独で監督を引き受けたのではなくて、もう一人共同監督のカム・カーウァイの存在があること。以前彼とは、助監督時代に『イップマン』とか彼が監督になってからは『スーパーティーチャー 熱血格闘』で映画作りをしている旧知の仲という事。日本の映画サイトでは監督の欄にドニー・イェンしか載せない不十分さと曖昧さがあることで誤解を招くのは嫌いなために彼には何の他意はないのでこの映画にかけているのを言いたいだけ...

A man:Your father Xiao Yuanshan,
    indeed, he is not a heartless
    and unrighteous man.
Qiao Feng:You know about my real
      parents? Who are you?
A man:It doesn't matter who I am!
    The most important thing is
    you know who you are.

中国のドラマでは英雄が3人のはずが、ここではドニー・イェン演じるthe Beggar Gang(失礼、日本語を使うと差別的なので)のカリスマ的ドンで"降龍十八掌"の遣い手チャオ・フェン(フォン)一人が登場し、その為にキャラとしたらチャオ・フェンとダリ出身の王子であるドゥアン・ユーとを合体したような話に持ってきている... そこがミソ

だからというわけではないけれど意味不明というか?登場人物の出自や知らなかった親子関係をアクションの中に絡ませ反映させているストーリーにしては辻褄を無理に合わせたようでまた武侠小説では武術ともう一つ重要なファクターである義理に関しては、そんなの存在しないような描き方になっている。それはフェンに近しい方たちが亡くなって、何の疑いもなく彼に嫌疑が向けられ、いとも簡単に仲間から命を狙われていくので、オスカー・ワイルドが次のようにそんな人のために名言を残している。
"To lose one parent may be
regarded as a misfortune; to
lose both looks like
carelessness." なんてね?

1985年の映画『情逢敵手(Mismatched Couples)』でけがをし右手を挙げることができなくなった彼、ドニー・イェン。
“I have no tendons in the shoulder,”
he says. He will be 60 this year.
Every day: pain. “As you get older
you feel it more and more.”

彼が60代になるなんて信じらえない!!
どう見ても30代前半!!! それは...
イェンによる、物理学を無視したワイヤースタント、目まぐるしいカメラ・ワーク、コンピューターで強化された画像のバランスのとれた組み合わせにより、迫力のある映像を作り上げ、少し軽い感じがするお馴染みのカンフーアクションのセットを補完する衣装や内装品の美術的質の高さに言えるかもしれない。それよりも
人間が持つ生命的内面の価値とスピリチュアルな観点における "カルマ" の存在を見ている側に印象付けている。

彼のファンなら、必見かな? ただし、

海外のデジタルプラットフォームでは現在、視聴可能ですマス。失礼いたしました。
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