このレビューはネタバレを含みます
想像を遥かに上回る劇薬な映画だった
序盤誰が主人公なのかも、何を描いているのかもよくわからないままストーリーだけが進んでいって、これ外れかな なんて思ってたのもつかの間
1人の男と少年少女が徐々に繋がっていき、
1つ、2つ、3つと、あらぬ方向へ罪を重ねていく様に目が離せず気付いたらのめり込んで物語を追っていた。
東昇(岡田将生)のサイコパスストーリーで終わると思っていたのにとんだ思い込みでした。そんな簡単な話ではなかった。
若さゆえの愚かさと、純粋さが表裏一体となった犯行と、その先に待つ地獄。
朝陽が何故そうなってしまったのかバックボーンが全く描かれていなかったのが若干腑に落ちないんだけど、殺人犯の家庭環境が意外にも平凡な家庭だったり、周りの人が口を揃えて「人を殺すようには見えない」っていうのをたまに見るようにそれだけが化け物を生む理由ではないんだろうな、とも思う。
東昇も朝陽も、躊躇なく人殺しができる所謂サイコパスなんだけど、2人とも似ているようで違った恐さがあるのが見応えあった。
とにかくこの物語の唯一の救いは、母を殺さなかったこと。あそこで殺していたらマジでただの胸糞映画で終わってたな。だってお母ちゃんめっちゃいいお母ちゃんだったもん。。ｾﾞｰｾﾞｰ
朝陽役の男の子まじでこわかったし岡田将生に負けず劣らずの存在感あるお芝居をしていてこれからの活躍が気になる。あと夏月ちゃん。尊すぎる。悲しい。年頃の女の子が抱く純粋な想いが凶器になってしまった悲劇の少女。なんとなくだけどあの子の存在が、いい意味で非現実的というか漫画っぽくて個人的にめっちゃ好き。あとめっちゃくちゃ可愛い。
撮影が、北野組(元？)の柳島克己さんだった。
一つだけ言うなら、
エンディングはクラシックがよかったな。
