Breminger

ありふれた教室のBremingerのレビュー・感想・評価

ありふれた教室(2023年製作の映画)
4.1
「ミッシング」「胸騒ぎ」と気分が落ち込んでしまう最悪で最高な映画を観続けたあとにもういっちょヘビーな作品を見るドMかな?ってくらい自分を追い込んでしまっています。

学校関係では昔一悶着(教師と自分の揉め事で)あったので、そういう面でも注目していた作品です。

最近まーじであらすじをサクッとしか読まずに映画を観るので、今作も生徒の問題の対処で1人の教師が学校や親御さんと揉める作品だと思っていましたが…ちょっと違うベクトルの作品でした。

学校の先生たちが生徒を尋問しているシーンから始まり、そこから胸がゾワゾワするのに、生徒のための行動が人と人との関係に亀裂が入っていくリアルがこれでもかと描かれていて口角上がらずで観ていました。

主人公のノヴァク自身も違和感を暴きたくてとはいえ、盗撮行為はちと踏み込みすぎてるなと思ったら案の定それが悪い方向に…。
実際にはお金を盗まれていますし、行動の一つ一つははしっかりしているのに、どこか隙があって詰めも甘いとどうしても噛み合わず噛み合わずの連続で、その行動はアカン…と何度震えたことか。

オスカーの母親のクーンがまぁいわゆるモンスターペアレントってやつで、話し合いを全くしようとしない姿勢がいかんなと思いました。
ちゃんと話し合って釈明すればここまでの大ごとにはならず、普段通りの学校生活が送れていたはずなのに…と一手の読み間違いでここまでになるとは…まぁ誰も思わんわなとは思いました。

今作に出てくる子供たちもまぁ生意気なもんで、教育上うまいことコントロールできなかったんだろうなというのはありますが、基本的に歯向かってくる子が多いと先生も大変だよなと思うシーンが多くありました。
自分の通ってた学校もなーんか騒がないとやってらんない奴が授業を止めていたので、それの始まりがこの子たちくらいの年齢だよなー、悪意を持ってやってるよなーとノヴァク頑張れと観ていました。
でもオスカーの暴力行為は擁護しなくてもよかったのでは…あれは厳しくいってやる方が良かったのになぁ。
あと学校新聞を作っている子たちは将来の突撃系ジャーナリストになりそうでかなり怖かった。

先生たちには更なる問題があるのも特徴的で、煽り散らかす先生もいれば、都合よく言語を変える先生もいるし、多数派に属して自分の意見を安全地帯から言う先生もいたりして、校長自体も物事に荒波を立てたくないのか無難な対応しかしないから保護者たちに火がついてしまっているのに無視を決め込んでいたりと、これは中々に胸糞でした。そりゃその背中を見てたら子供らも捻くれるよと。

最悪に最悪を畳み掛けての終盤はもう崩壊しっぱなしでしたが、ノヴァクが子供たちに叫ばせてるタイミングで自分も叫ぶシーンは少しだけ、ほんのちょっとだけスカッとしました。そこだけは救いがあったと思います。

ちょっとした小話で、昔教師と揉めた問題は今でも教師側に問題があったなと思っています。
その教師は血の気が短いなんてもんじゃないレベルですぐブチギレてしまう教師で、ちょっとした物音(シャーペンを落とすとか)でも詰め寄ってくるタイプで、令和にこんな教師おるんや…と衝撃を受けっぱなしでしたが、自分がクラスをまとめる立場にいたのもあってか、やけに目をつけられていて、騒ぐ他のクラスメイトの次くらいには代表として怒られていたんじゃないかなと思います。

多分機嫌が悪いんだろうなって日には見ただけでブチギレられるという意味の分からない目に遭ったので、流石にこちらも我慢が効かなくなってきたので、ボイスレコーダーを持って行って、案の定理不尽な理由で絞られたので、そのボイスレコーダーを教育委員会に持っていって、特に音沙汰がないなーと思っていたら次の学年の時に退職という扱いでどこかへ行きました。
約2年キツい思いをした身としては、逃げられたようでどこか釈然しないところもありましたが、他の学年の子や同級生たちが辛い思いをせずに済んだんだなと思うとどこか晴れやかになりました。

今作には共感するところがとても多く、それ故に映画としてよりかは道徳のなんたらの学びになってしまったのが痛かったです。
今の社会の縮図みたいな作品で、色々と考えさせられてしまった。
この作品をフィクションとして楽しみたかった。学校でやっぱり不思議な空間なんだと再確認。卒業したからにはキラキラした学校を見たいっすね(強欲)
Breminger

Breminger