べし酒

STORY GAME<ストーリー・ゲーム>のべし酒のネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

外人監督がジャパニーズホラーテイスト映画を撮るというコンセプトが面白そうで鑑賞。

ハワイにキャンプに訪れた男女3人が余興に、それぞれ日本を舞台にした怪談を語るという舞台建て。

一人目のお話は、学校のイジメをテーマにした内容。登場人物はみな英語で話すけれど、服装や全体の雰囲気はしっかり日本ぽいし、現代日本的なテーマ性もあって割と面白く。そしてまさかのトイレの花子さんか!という驚きがあった(笑)アヤカ・ウィルソンさんの名前も久々にお見かけでしたし。そして語り手に合わせてコミック的映像表現をするのも意外にやるなと。ただ二人目以降は、脚本家(SW的丸ワイプ閉じ)、小説家(特別表現なし)なので映像的遊びの面白さが次第になくなっていくのは残念。

二人目のお話は口裂け女。語り的には「東京」と言っていたけどどうも関西撮影らしいことに気がつくが、そこには目くじら立てず生温い視線で鑑賞。まあ口裂け女的テーマとはあまり関係ない落ち方で締められて、やや脱力。
エンドロールでお名前を発見してええ?と思い調べたら、口裂け女役を演じていたのが伊藤歩さんだったことが一番の驚きだった話です(笑)

三人目のお話は、一応「番長皿屋敷」が基か。舞台や仮面の造形、呪いといった部分では日本的な雰囲気を頑張って作ってはいたけど、江戸時代の人物像としてのお菊にはやはり違和感を禁じ得なかったね。「四谷怪談」とのミックスも悪くはないけど、流石に主体の名前が逆になるのも日本人としてはややノイズ。

で、そこまでせっかく日本推しできてくれたのに、最終弾に日本とは関係ないホラー要素をなぜ入れた(笑)そこで締めくくり的話を入れるのはいいけど、最後まで日本的怪談で通してほしかったな。
前フリが「かごめかごめ」で始まってるしね、なんとか出来たんじゃないかとも思ったり。

と言う訳でまあおかしな日本描写にも愛ありは感じられて嫌いじゃないけど怖さは全く感じられなかったし、生温く半笑いで楽しんだ感じでしたわ。
べし酒

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