ロキロキ

清作の妻のロキロキのネタバレレビュー・内容・結末

清作の妻(1965年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

・「清作の妻」観た。こっちは増村保造と若尾綾子のコンビの作品。
・夫の目を突くという行為、この行為だけ取り出せば犯罪。実際に妻は懲役に服して、突かれた夫は怒りまくり、
・しかし、とあるコンテキストの中に置けばその行為の意味は変わる、ある種の愛の行為って意味合いに。出征前の夫の目を潰して、戦争に行かせないようにするため、ってオチなのだけど。
・その妻の意図は明らかであるが、夫がそれを許すかどうか、物語的に最後まで宙吊りにされる、何せ夫は愛国主義者で模範兵で。その間の緊張感、夫が許したとわかったたときの感動たるや。
・妻が夫の目を突くという事件が起きてから、不穏な音楽が鳴り出す。それは極めて印象的。
・ドラマチック過ぎるが、激情の愛の物語って感じなのだけど、それを見事に成功させている、手放しで大絶賛出来る傑作。でもギリギリのバランスで成立している感じはあり、一歩間違えたら絵空事にも。
・アンチ・ネトウヨ映画としても何か感慨深いものがあり、そういう種類の感性を徹底的に否定してみせている。