世界で一番最初に見ました。

主演作『女の仕事』と同時上映された長谷川千紗さんの主演のみならず監督作品。

近未来、触れたところがくっついてしまい、一ヶ月後に命を落とすという謎のウィルスが大流行する。
政府は人と人が触れ合うきっかけとなる、芸術全般を禁止。
ヒロインのケイコ(長谷川千紗)は歌手だったが、政府の政策により歌手を廃業、今は町工場の工員となっている。
工場の社長(田中要次)と不倫関係にあったが、とうとう別れを切り出され、自暴自棄になったケイコは秘密バーで歌ったために警察に逮捕され、とある島へ送られる。
そこではDr.歯牙(後藤龍馬)がウィルスの特効薬を研究開発しており、ケイコはそのモルモットにされたのだった。

物語はハードなSFなんだが、絵作りがとにかくユニークで、ちょこっとギャグ的なものも挟み込まれて独特な世界観が展開される。

コロナ禍によって娯楽が規正されたという、コロ以前なら荒唐無稽な出来事も、実際に体験してきた身としては、本作に込められたアイロニーもダイレクトに伝わって来る。

結局、相反するケイコとDr.の間に、いろんな事があって互いに協力し合うようになるのだが、そこにもう一発ツイストをかます千紗監督の語り口が絶妙だ。

さらにメインキャストに加え、多彩なゲストの出演が楽しく、この独特な世界観に拍車をかけるのだが、つまるところ人間を救うものは無償の愛である、というところが、このエキセントリックな映画だが、ホロリとさせるヒューマンな味わいもあって、そこは監督でありケイコを熱演した長谷川千紗さんの持ち味だと実感する。

上映後のトークショーでは千紗さんと宮本助監督に加え、リモートで後藤龍馬さんが登壇。
撮影時のエピソードなどなど、興味深いお話を語っていただき、場内も爆笑と感嘆が連続する熱い一夜となった。

※『エターナルラブが蔓延した日』も15日までマテリアルタニマチで上映中‼️

最終日、舞台挨拶付き
長谷川千紗 監督・脚本・主演作品
千紗さんの映画というだけで、予告編も観ず、何の前情報もなく鑑賞。面白かったー！奇想天外な物語、予想外の展開！

エンドロールのクレジットで森恵美さん発見。気づかなかったー！
長谷川千紗ファン必見の映画です。
もっとたくさんの人に観て欲しい映画でした！