寝耳に猫800

義父養父の寝耳に猫800のレビュー・感想・評価

義父養父(2023年製作の映画)
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毎ショット、ピーンと張った緊張感とその中での余白に満ちている(劇中の展示会、一本のワイヤーで釣られてくるくる揺られているハンガーと衣装があるが、あれがちょうどこの映画を象徴している気がする)、セリフのタイミングもその美しさを支えている、スタンダードサイズで撮られてはいるが演者の視点から常にスクリーンの外側を想像させる、そういう風通しのいい雰囲気も素晴らしい、こんな風に映画が撮れたら楽しいだろうなぁ
(前半、いい画が多すぎるせいでこちらが疲れたのか、はたまた作品の緊張感が解けたのか、終盤、人物の感情が動き始め、お話の緊張感が高まるのに反比例して画がゆるくなっていった気がする、まぁこちらの慣れの問題かもしれない)

直前に観ていた『マリの話』に出てきた猫好きの猫みたいなおばちゃまが本作にも「ふみやん」として出てきたので猫にしか見えなかった、しかしそれがなくても本作における「ふみやん」は妖精のような存在だ、松田弘子さんというらしい、とてもいい