電信柱

エスの電信柱のレビュー・感想・評価

エス(2023年製作の映画)
5.0
昔から太田監督を応援していた縁もあり、公開より一足早く試写会で鑑賞。十年以上前からファンをやっていた身としては、ようやくこの才能が世に出るというだけで感無量。
圧倒的な個性。扱ってる題材も特殊なんだけど映画のスタイルも本当に独特。世界中のどこでも見たことがない。「映画はセリフが少ないほど良い」というシネフィルの常識に真っ向から勝負を挑むセリフの洪水と、しかしその会話劇の切り取り方は映画でしかあり得ないという奇跡。しかもすごいのはこのスタイルが十年前にすでに完成されていたということ。もしその頃デビューしていれば今頃は中堅監督として次々にメジャー映画を撮っていただろうに…。
まあ、なんでデビューが十年遅れたかという理由はまさにこの映画に描かれてるんだけど、とにかく自業自得とはいえ十年泥水をすすってきた鬼才がついに復活するという現場に立ち会うため、もう一回映画館に見に行こうと思ってます。
電信柱

電信柱