福福吉吉

コンテイジョンの福福吉吉のレビュー・感想・評価

コンテイジョン(2011年製作の映画)
4.0
◆あらすじ◆
香港から帰国したアメリカ人の女性が熱などの症状を発症した後すぐに死んでしまい、そこから原因不明の症状や急死が世界で観られるようになった。CDC(疾病予防管理センター)が調査に乗り出す中、感染源や治療法が分からない日々が続き、社会は混乱の一途をたどっていく。

◆感想◆
本作は、謎の感染症に関わった人々や社会を描いた群像劇となっており、普通の家族から感染症を解明しようとする人々、社会の混乱に乗じて情報を操る男など様々な人の姿を描いています。

最初に感染した人の家族では残された夫(マット・デイモン)とその娘の個人レベルで感染症に怯え、混乱した社会の中で悶々とした日々を過ごす様子が描かれており、コロナウイルスの感染による世界的な混乱があった現在観ると、とてもリアルで怖く感じました。

感染症を解明に力を尽くすCDCの人々の姿もしっかり描かれており、普段見ることのできない、研究者たちが感染のリスクと戦いながら治療法を探す姿は静かながらその必死さが伝わってきました。また、研究者の1人が感染して、研究を半ばで終わらせてしまう無念さが伝わってきて心を打ちました。

一方、社会の混乱に乗じて陰謀論で金儲けする自称記者の男(ジュード・ロウ)がその言い回しが凄く嫌らしくて、印象に残りました。彼はネットだけでなく、地道に防護服を着て車にビラ挟んだりしていて、彼は真面目なのかふざけているのかよく分からなくなりました。

コロナウイルスの感染を経験した現在観ると、本作の示すパンデミックの怖さがとてもリアルに感じられて、よく出来た作品だと思いました。正直、苦しさがリアル過ぎてもう二度と観たくない作品ですが、今回観て良かったと思います。

鑑賞日:2024年2月2日
鑑賞方法:CS WOWOWプラス
(録画日:2023年3月8日)
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