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けんかえれじいのnorisのレビュー・感想・評価

けんかえれじい(1966年製作の映画)
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浅野順子 の障子のシーンはまさに映画そのものと言える(その直後の走り去る彼女がするりと暖簾(?)を落としていく完璧なショットまで含めて)。

コントラストの効いた美学的な構図、ダイナミックなキャメラ移動、清順的なおかしなショットなど、やはり不朽の名作である。

40年前、入ったばかりの大学サークルでこの映画の上映会を企画していたことを思い出す。あれは、終盤の軍靴に蹴散らされる浅野(大橋巨泉夫人である)、北一輝(緑川宏である)のクローズアップからラストカットにいたる画面の熱気がもたらした、時代的な興奮だったのだろうか(公開当時の全共闘の興奮を共有することは難しい)。

その部分が蛇足だとは思わないけれども、あまりにも美しすぎるシーンが多すぎる。

それにしても、浅野順子(葵わかなに似ている)の「身体の欠陥」って、何だったのかな。
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