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ア・フュー・グッドメンのnagarebosiのレビュー・感想・評価

ア・フュー・グッドメン(1992年製作の映画)
4.5
裁判モノ、所謂リーガルサスペンスは「ある程度、法律の知識が無いと分らない」と勝手に思っていたが、この作品以降、さほど知識が無くとも楽しめるということが分った。それほどこの作品は、とても良く出来ているし楽しめる。
トム君がムッチャ若くカッコイイけど実際の法廷経験はゼロという、やる気ゼロな弁護士を相変わらず嫌味なく演じて爽やか!
ニコルソンは強烈!圧巻!!「チャイナタウン」の影を背負った感じとは全然違って「やっぱり本気の役者は違うなあ!!」と思った。トム君との会食で「お願いしろ!」って、どうやったらあんな威圧感バリバリで言えるんだ!?
脚本は問題点や矛盾をうまく突き、演出も丁寧に心情を描いて上手だけど、それ以上に撮影がロバート・リチャードソンだけありとにかく的確で上手い。照明の効果を考えたうえでの1カット1カットのアングル、スコープサイズなのに隙が無い。「告発」も法廷モノで良いのだが、如何せんカメラが動きすぎて落ち着かないのが欠点だった。だがこの作品はしっかり落ち着いている。やはり撮影というのは重要なのだと改めて思った。
この作品、もとは舞台劇だけありエンディングもキレが良く、最近じゃ滅多に無い「FIN」で終わるのも良く、気持ちよく観終わった!お奨め!!