漆黒堂本舗

DOORの漆黒堂本舗のレビュー・感想・評価

DOOR(1988年製作の映画)
4.8
大昔に観て超怖かったと記憶しているサイコスリラー。
私的に『フッテージ』に次いで怖いと言い切れるのが本作『DOOR』です。
つまり、超オススメ作品になります。
また観たいとずっと思ってたのをU-NEXTでついに発見。
セキュリティがガバガバで、誰でも簡単に他人家のドアを叩けた昭和の時代。
相次ぎ訪れるセールスやしつこい勧誘に辟易していた専業主婦が、たまたま一人のセールスマンに怪我をさせてしまうことから始まる恐怖が描かれています。
この時ドアを開けてきちんと謝罪すればあんなことにならなかったかもしれないのに、ドアを閉ざしてしまったせいで…
30年の時を経ても怖かったー!
二度目ましての今回。初見で気付かなかった凄い仕掛けに気が付いちゃってかなり饒舌な漆黒堂でございますwww
前半から後半に転換する辺りで、夢か現か判らない夜のシーンが挿入されるんだけど、そこを夢と捉えるか現実と捉えるかでこの作品のジャンル自体が変わってしまうのです。
と言うか、夢と捉えてしまうと色々不都合が生じてしまいます。
主人公にナイフを突きつけたセールスマンが迷わず夫婦の寝室へ直行する←初めての家で何故寝室の場所を知ってるの?
あまり使ってないみたいですね〜とコンドームを取り出して使おうとする←そんなモンのしまい場所をなぜ知ってるの?
「お待たせしましたー私です❤」←距離感が前半と大違いじゃない?
そして、息子を連れて普通すぎる外出風景…え?顔も知らない男から嫌がらせされてるのに、綺麗に着飾って外出??
(ヾノ・∀・`)ナイナイ
私なら家から一歩も出ない。
「ママ綺麗だよ」敢えて息子に言わせた真意は?
あの満たされた微笑…
ヤバイ。怖すぎる。
あの夜が夢じゃなかったとしたら……
考察すればするほどホントに怖い。
そういう作品です。
そして、主人公の輝く瞳が美しいラストカットに至っては新たな標的を見つけた牝豹のソレかとゾッとさせられます。
高橋伴明さん、ただのピンク映画監督かと思ってましたがやりますねぇ。
奥様も綺麗。

変態セールスマンが変態イタ電男を一喝するシーンは秀逸(笑)どの口が言ってんだよ〜とツッコミ必至ww
逃げ回る主人公たちを俯瞰から長回しで映すカメラワークは今でも全然通用する技法。こんな昔から使われてたんですね。
古い作品と侮らないで、ぜひぜひ観てみてください。
※チェーンソー🆚ステーキフォークのせいで満点はあげられませんでした。助っ人もローラースケートだしwww