Breminger

ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉のBremingerのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ゲームリリースしてから少し経って、アニメシリーズを完走して見事沼にハマって、ゲームにもハマって、3期終了直後に突如流れた劇場版の特報に胸躍らせてから5ヶ月、ダービー週の公開という粋なものもあって、吸い込まれるように劇場のプレミアムシートのど真ん中へ。
特典はアヤベさんの小説でした(補完がエグい)。

やはりやはり素晴らしかった…。
ジャングルポケットを中心にレースを志したきっかけ、成長、挫折、そして野望とこれでもかと詰め込まれた濃厚なストーリーに胸を打たれ、夢へと向かう彼女たちに熱くさせられっぱなしでした。

主人公ジャングルポケット、フリースタイルレースからトゥインクルシリーズへとやってきた猛者で、その勝ち気な性格が良い方向にも困った方向にも転がっちゃう子で、キュートな一面(なぜかあたふたしたところがモンスターっぽくなってて笑いました)も見せてくれて、でも決めるところは決めてくれるかっこいいところ満載で、史実やゲームシナリオ以外で彼女に強く触れれて、魅力が大爆増しました。

レースシーンの作画がRTTTよりもさらにレベルアップしていて、ターフを駆けるウマ娘の生き様、呼吸に判断力に視線、希望と絶望とこれでもかと最高峰の映像に詰め込んでくれていてもう感謝しかありませんでした。
相変わらず最終直線ではプリティーを剥ぎ捨てて、1着になる以外は考えてない表情がたまらなかったです。

今作は現実の騎手と調教師、オーナー、そして馬自身の物語も強く盛り込まれており、フジキセキとジャングルポケットの関係性がまさにそれで、史実をリアルタイムでは追えなかった身ですが、それでもここの関係性を知ってから観るとグッとくるものがありました。

師弟コンビで叶えられなかったダービーという目標を、ジャンポケが自分の脚で先頭で駆け抜けて、ナベさんにダービートレーナーの称号を、フジ先輩の無念を晴らした雄叫び、予告でもたくさん見ていたはずなのに、これまたグッときてしまいました。
かっこいいよポッケ…ってなりました。

フジキセキも僅か4戦でターフを去った身、その走りはクラシック前に見れなくなってしまった彼女の走りを、今作ではifとして、衝動として彼女が勝負服を着てジャンポケと共に併走するシーンは予想外のサプライズで胸熱でした。
タキオンがジャンポケのジャパンカップで強豪を打ち破って、諦めない姿、自分の限界をも超えるその力を見せつけられた事で再び脚を動かし出す、史実では叶わなかったタキオン再生の物語にも一役買っていたところにもグッときました。
競馬のifの物語を語れるのがウマ娘の良いところだと思っていたので、今作でやってくれた事に感謝です。
ジャンポケが己のために走るという目標は最初から最後まで一貫していましたが、フジキセキとアグネスタキオン、2人のウマ娘が再生するきっかけになったというのは本当に大きかったですし、これぞウマ娘だという感情になった瞬間にはそりゃあ涙ボロッボロですよね。

RTTTでは高貴だけどコメディリリーフにもなっていたオペラオーが、世紀末覇王として最強の座に君臨していて、表情の強者感、狭い進路をこじ開けた有馬記念、そこから繰り出されるガッツポーズは熱いものがありました。
実際に彼女もとい現実のオペラオーと対峙していたらその強さに戦々恐々していたんだろうなぁと思いましたし、その時代を体験したかったなというifも今作で体感できたので大満足です。 

ジャンポケが吹っ切れて挑んだジャパンカップ、それはそれは本当に良くて、自分の限界のその先へ到達してもなお伸びる伸びるその力強い踏み込み、末脚を活かして覇王を負かす、知っている、分かっているはずなのにまだ見ぬレースのように楽しみ、緊張していた自分がいて、当時にタイムスリップできたようで何倍にも増して嬉しかったです。
 
ライブシーンも本当に綺麗で美しく、歌もビシバシ刺さってくるもので、ウマ娘の締めはこれだなぁってなりました。

尺的なもので描けなかったんだろうなと思ったのは、マンハッタンカフェとダンツフレームの背景だったと思います。
カフェは春クラシックには体調面が優れずで参加できず、上がり馬として菊の舞台へやってきた描写こそありますが、ジャンポケの苦悩を描くのを今作では優先していて、タキオンの幻影に惑わされてジャンポケが気付いたら札幌記念も菊花賞も終わっていたという解釈で落ち着きました。
こればっかりはジャンポケとフジ先輩、タキオンにラスボスオペラオーと焦点を当てる人物が多かったのでしゃーなしかなと思いました。
ただ2人とも個性は少ない出番ながら出ていたように思いましたし、カフェはウマ娘にしては珍しい闇のオーラを纏った子なので、キャラ把握はすぐできると思いますし、ダンツは今作のプリティー要素を一身に担っていて、ゲーム以外で大きく触れてくれてより彼女について調べたくなったなと思ったのでオールオッケーです。
ゲームでのシナリオでカフェの物語は色濃く知っていますし、ダンツが実装された時の補完とかエグそうやな〜と今からもう楽しみです。

細かい小ネタもふんだんに盛り込まれていて、現在存在するウマ娘たちの8割方はどこかしらに出ていたんじゃないかなと思いました。
一瞬しか映らない子たちもいたので、その子たちを全速力で追いかけるには体一つじゃ足りません笑
ミラ子、登場シーン全部で飯食ってて笑いました。とりあえずプール行こうか。
マーちゃんトレ出演するパターンは流石に読めんくてこれまた大爆笑。5秒くらいの出番だぞ…?

楽曲も劇伴も素晴らしく、キャラソンはどれも明るくテンション上がるものになっているのに対して、劇伴はずっしりとした、緊張感のあるものになっていて、どのシーンでも心震わされていました。
速攻でCD買って聴き込んじゃってます。

こうなってくるとどの世代でも、どのウマ娘でも、アニメ化や映画化してほしいと強く思ってしまいます。
年代的には個性豊かな'02世代が主役になってくれたらな〜って思ってます。
今作の出演シーンで飯ばっか食ってた芦毛のあやつも出てくるので頼みます。

何回観ても新しい発見がありそうでまだまだ楽しみです。ファンとしての贔屓目は多少ありますが、今年のベスト候補です。
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