Cygamesの同名スマートフォン向けゲームアプリを原作とする劇場用長編アニメーション。
監督:山本 健
ウマ娘になることを夢見るジャングルポケット。
次々レースを快勝していく彼女の前に恐るべきライバルが立ちはだかる。
わたしは原作ゲームのプレイ経験はなし。
テレビアニメ(1〜3期)も未視聴。
競馬の知識もほとんどないことを踏まえ、以下に初見を述べる。
すっげぇいいやつ。
想像していた以上に真正面からスポ根ドラマをやっている。
不純物なしの王道スポーツもの。
事前の予習がほぼいらない点もよい。
・競馬をモチーフにした作品であること。
・実際の競走馬がそのまま女性キャラクターになっている。
この2点さえ押さえておけば作品理解に困ることはない。
つーか競馬場のパドックに派手な衣装の女子たちが並んでいる絵面が、それだけでおもしろいのはずるい。
物語は実在した競走馬「ジャングルポケット」の実際の戦歴やエピソードをベースに構築されており、単純にめちゃくちゃおもしろい。
絶対王者「テイエムオペラオー」やライバルとして登場する「アグネスタキオン」が、ちゃんと強キャラとして存在感があるのもいい。
特に「テイエムオペラオー」は、序盤と終盤にしか出番がないが、それに見合うだけのインパクトがある。
「アグネスタキオン」は正直かなり好きなキャラですね。
ジャングルポケットの栄光と挫折。
それをトレーナーや仲間とともに乗り越えていく過程もよき。
レースシーンも迫力があるしテンポもいい。
美少女アニメにありがちなファンサービスめいたお寒いギャグシーンもまったくなく、最初から最後までまっとうなスポーツものが貫かれているのも好印象。
つーかトレーナーの家が「明日のジョー」の丹下段平まんまなのは笑う。
一つだけ気になったのは映画序盤。
ジャングルポケットが「デビュー以来無敗」とアナウンサーが伝えるシーンがあるのだけど、それは短くてもいいので、ちゃんとビジュアルとして見せてほしかった。
だって、この「希代の才能」がこれから挫折していくのかーって思いたいやん?
才能に恵まれて調子に乗ってるやつの鼻っ柱がこれから複雑骨折していくんやなって思えるほうがさ、なんか興奮するやん?
そこは惜しいなと感じるところ。
とはいえ、総じてよくできたスポ根映画なのは間違いない。
原作ゲームやビジュアルイメージから変な先入観を持たれていそうなのがちょっともったいない気がしてしまうが、スポーツものが好きな人なら観て損はないはず。
きれいなミドリマキバオー。
2024ー新008