沖縄、南西諸島における武装化。島民の願いも虚しく、徐々に島に軍事施設が作られていく。「島民を守るため」という大義名分の元、防御機能だけでなく、ミサイルや戦車などが次々と運び込まれる中、必死に島の軍事化に反対する住民達。この作品は三上智恵監督による、日本という国に対する大きな問題提起だ。我々日本人の大半は、沖縄や自衛隊の存在を見て見ぬふりをしている。しかし沖縄の問題は決して他人事ではない。元々あるアメリカの基地問題に加え、台湾有事をきっかけに対中国という新たな図式まで浮上してきた。私は自分の無知を棚に上げて、ここで偉そうに政治を語るつもりはない。けれどもいつまでもこうした問題に無関心でいることは、日本がこれからの国際社会を生きて行く上で非常に危ういと思う。今はまだよくわからなくてもいい。まずはこの作品を観て、"知る"ことから始めてみようではないか。
