わごむ

パレードのわごむのネタバレレビュー・内容・結末

パレード(2024年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

13年目の震災の日の翌日に見ました。
このタイミングだからか余計ぐっと胸に迫るものがあり。

ストーリーそのものというより
映像の美しさ、やさしさ、温かさが沁みた。
特に死者が大切な人に会いたいと願って歩くシーンは
本当にキレイで、序盤から泣いてしまった。

あの世界で「その先」へ行けてない人は
大きく分けると2パターンになる。

かおりさんとアキラくんは遺してしまった人が心配で気になって
区切りが来るまで見届けようとしている人。

勝利くんとマイケルさんは、遺した人への気持ちが
それぞれ心残りと悔いと別なものなんだけど、
どちらも自分の気持ちにけじめをつけられていない人。

なんか、見ている人全員にどれかが当てはまるんだろう。
みんなに癒しと救いを与えてくれる作品と感じた。

勝利くんのエピソードがよかったな。
遺された者は生きていかなくてはいけなくて、
新しい伴侶を見つけて新しい幸せを掴み取るべきと思う。
でも、やっぱり失くしてしまった最愛の人を想ってしまうし
そのことで今の相手にもかつての相手にも申し訳なく思ってしまう。
その葛藤がよく表れてたベランダのシーン、よかった。

そしてさすがの豪華キャスト!!
マイケルさん役のリリーさんが際立っていた。
気持ちやアイディアが溢れるんだけど語彙力が追い付かないとことか、
実在していて亡くなられたプロデューサーをモデルにしているんだけど
きっとこんな感じの方だったんだろうなあと思う。

残念だったのが後半からラストへの展開。
ちょっとついていけなくて、いろいろと突っ込みどころもあった。
そういうの無視して、そういうもんだからふわーっと楽しんで!っていう意図なのかな?
設定緩くないかな~?説明不足じゃないかな~?って思ってしまった。

最後の晩餐みたいなとこのシーン。
ああ、これでマイケルさんが旅立つんだろうなって思ってたら全員??ってなった。
かおりさんは娘さんが出産出来たからOK。
アキラくんは見届けるんじゃなかったっけ?
美奈子さんも良くんをずっと見守るって言ってたけど、いなくなる?
てか「その先」の世界でも見守れるってこと?
波打ち際を歩く美奈子さんを後ろからついていく田中さんは
旅立ちを見届けているんだろうと思ったんだけど。

あと、みんなで死者の会いたい人を探すシーン。
あれ?死者生者に触れないんじゃない?序盤で北村有起哉さんに触れてなかったよね?
だったら抱き合ったりできないのでは…???
あと、生者は死者と会えたってことでいいのかな?普通びっくりするよね。
生者には見えてなくて、死者の中だけで完結している夢みたいなものじゃなくて?とか。

食べ物の味がしないって言ってたけど、
アルコールには酔うんだ…コーヒー飲むんだ…とか。

夢壊すようで申し訳ないんだけど、いいテーマだなって思ったから
こういうのもきれいにまとまったらよかったなあって思って残念でした。

ナナちゃんが映画撮ったのはマイケルさんの言葉だったっていう
伏線は回収されていたけど。
生還して、かおりさんの家族や良くんを探しに行ったのかな。
生死をさまよっている間に会ったんだよー、って
その辺のお話もとても気になるところではある。
もっともっと膨らませて連ドラとかにしてくれたらよかったのにーーー、なんて。

化女沼レジャーランド、行きたいです。
わごむ

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