地震による津波被害に遭ったシングルファザーの美奈子はたった一人の息子の行方を探し回っていたが、誰にも話を聞いてもらえないし、触れられもしない。理解のできない現状の中、唯一触れ合うことのできる明に連れていかれた場所は“現世に未練を残したまま死んだ人が集まる世界”だったーーー
まずはずっと涙が止まらなかった。
現世に想いを留めた人達のある意味でのオムニバス映画。
テーマとして“死”というものがあるからどうしても“別れ”もついてくるので、涙なしでは観られない。
とはいってもくどくお涙頂戴というシーンがあるわけではなく、本当にエピソードはさっぱりで観やすかった。
くどくなさを表現できたのは長澤まさみをはじめとした実力派俳優陣が揃っていたのもあると思う。やはり大根役者がいないとこんなにも観やすいのか、と。
今更語ることではないかもしれないが、リリーフランキーはやはりすごい。彼と寺島しのぶがいるだけでギュッと全体が締まったかんじがする。
リリーフランキーのラストの演技はもらい泣き必須。
景色もカメラアングルもよかった。
偉そうなことを言うけど最近の邦画・邦ドラマの中でも割と突出したクオリティのカメラワーク・背景だったんじゃないかな。(個人的感想)
ちなみに私は輪廻転生を信じているタイプだから、“その先”はさらに素敵な人生があって、会いたい人にも会えちゃったりするといいなと思う。