Nana

パレードのNanaのレビュー・感想・評価

パレード(2024年製作の映画)
3.8
瓦礫が打ち上げられた海辺で目を覚ました、長澤まさみ演じる美奈子。

おそらく津波が来たのだろう。

彼女はシングルマザーで、離ればなれになった息子の良を捜す。
愛息子の生死も分からず途方に暮れる美奈子だった。

道中で坂口健太郎演じる青年アキラや、横浜流星演じる元ヤクザの勝利、リリーフランキー演じる元映画プロデューサーのマイケルと、その仲間たちと出会う。

ここは“想いを残した者たちがとどまる世界”だった。

この世に未練がある者、生と死の瀬戸際に立っている者。

現実を受け止めきれない美奈子だったが、月に一度死者たちが集い、それぞれの会いたかった人を探す“パレード”に参加したことを機に、各々の心に触れていく。

森七菜演じる女子高生ナナもまた、そこに加わり、仲間たちはマイケルの実話に基ついた映画を作ることに。

この、映画の中の映画『パレード』は、マイケルの話だ。

マイケルの最愛の人、マイコさん。

マイケルとマイコは互いに惹かれあい、愛し合っていたが、彼女は父が選んだ婚約者と婚約しなければいけなかった。

そうして二人は、別々の人生を歩んだ。

これが、映画『パレード』のストーリーだった。

映画の中の映画、そして、このキャストたちが演じる演技の中の演技に注目だ。
一人二役のようなイメージ。

大人になったナナは、映画を完成させた。

劇場の客席は満員だった。

そして客席には、美奈子の息子の良。
彼は、母のような作品を作りたいと言った。

映画を観る良の瞳がキラキラして綺麗だった。

そして彼らはやがて、成仏したのだ。

大事な人たちを見守りながら・・・

切ないけど、彼らが想う人たちの隣には、成仏した者の姿はない。

しかし、確かに、隣にいつもいるよと言っているかのように、そこにはあたたかい空気が流れるのだと思う。
Nana

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