Asino

ビューティフル・ゲームのAsinoのレビュー・感想・評価

ビューティフル・ゲーム(2024年製作の映画)
3.8
これは「テッドラッソ」や「ディア・イングランド」に近い方の、フットボールを「題材」にした話。
実際にホームレスワールドカップというのが行われてることを知らなかったんですが、イングランドチームの目線から見たフィクションだけど、いろいろ実際の話に取材して作られているらしい。
ホームレスの定義はその国によって違うらしいんだけど、基本的には苦しい状況にあっても、ボールひとつあれば出来るフットボールというスポーツを通じて自尊心を取り戻し、広い世界に目を向けようという大変意義のある試みだと思う。
ホームレスになっている理由についてはそれぞれやっぱりそれなりに重い理由があり、代表としてローマに行く事になったメンバーで助け合いながら勝利を目指すことが必要になるわけだけど。
主人公が非常にわかりやすく、「サッカーはうまいけど仲間を見下してて嫌なやつ」タイプなんだけど、彼がかたくなな理由やビル・ナイ演じるコーチが彼をチームに引き入れた理由がやがて明らかになる(まあその辺は途中で大体読めるといえば読めるけど)
なにもかもご都合主義でうまく行ってめでたしめでたし、な話ではなく、いっぽうでコミカライズしてるところも確かにあり、そのバランスがなかなかよかった。

日本チームは現実には過去数回しか出場してないらしい。
にも関わらず、劇中ではイングランド、アメリカ、イタリア(劇中では主催国)、ライバルとなる南アフリカに並んで(たぶん一番弱いチームとして)それなりの尺がさかれてる。これ。キャスティングとか演出とかちゃんと日本の火とが関わってたんだろうな、って感じだった(そこ重要)
実際ホームレスの認定基準が一番厳しく、国からの支援もあまり得られておらず、選手として来てる人たちが一番肩身が狭そうな顔をしている、という点で日本チームのメンバーの描かれ方はすごくリアルだったのかもしれない。この大会の趣旨をある意味一番反映してたチームと相手描かれてたのかも
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