映画を見終わって最初に感じた感想は、乙一の作品を読んだあとに抱く感覚に近いなあ、ということだった。より具体的には、『ZOO』という作品を読んだあとのちょっと死生観が揺らぐような感覚に、この作品も近いものを感じた。
まず、A24配給ということで、かなり癖のある作品だということは予想していたが、もちろんこの作品も例に漏れずA24らしい作品だったと思う。この段階で、観る人によって合う・合わないがはっきり分かれる作品であり、全く万人受けするような作品ではない。むしろ「死そのもの」がテーマであることもあり、かなり人を選ぶ作品なのは間違いない。
親子の「死」への向き合い方だけでなく、そこから発生する親子関係の変化は、ありきたりなテーマかもしれない。しかし、「死」が鳥という形で現れ、直接世界に語りかけるという点は、非常にユニークであり、同時にこの作品で最も奇妙に感じた部分でもあった。