Terry

雲の中で散歩のTerryのネタバレレビュー・内容・結末

雲の中で散歩(1995年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

この映画を最初に観たのは高校生の頃。ルノワールやモネの絵画のような美しい映像に魅了された。
が、批評家からの評価は芳しくなかった。
何でだろう。結構良かったと思うんだけどなあ…。不思議に思ったものだ。

すっかり存在を忘れてたのだが、ふとしたことから再視聴。

主人公は、偶然出会った身重の女性を助けるために、1日だけという条件で彼女の夫のフリをする。彼女の家族に会い、家業の葡萄園の収穫を手伝ううちに、恋が芽生える。
昔の映画のリメイクだけあって、王道のラブストーリーだが、一つ一つのシーンが丁寧に描かれており、人物描写が上手い。

主人公の孤独な出自や、毎日夢でうなされるほどにトラウマとなった戦争体験、勢いで結婚した妻への依存ともいえる毎日の手紙。
純粋で繊細、愛情を求めている青年だというのが分かる。
演じたのはキアヌ・リーブス。彼以外にはこの役を演じられないと思うほど、ピッタリだった。なぜかこの人は全く裏表がない、正義感あふれる役がよく似合う。

美しい映像の中で繰り広げられるロマンチックなラブストーリー。
女性向きの隠れた名作だと思う。
最近はこういう重めの甘い作品が少なくなった。
Terry

Terry