みむさん

The Shrouds(原題)のみむさんのレビュー・感想・評価

The Shrouds(原題)(2024年製作の映画)
3.5
トロント国際映画祭にて。

クローネンバーグに期待するものがきっちりあった。
故人の遺体が墓の中で朽ちていく様子をモニターできる技術を備えたデジタル墓石「Grave Tech」にまつわる人々の話。
アプリで愛する故人のグロテスクな姿を毎日見続けるっていうね…。
監督はパートナーを亡くしているのでそういう意味でパーソナルな映画と言っていたが、やっぱり独創的なホラーで悪趣味で(誉め)面白い。
愛する人を亡くした深い悲しみから抜け出せない人をクローネンバーグが描くとこういうことになるんだなと、期待どおりの描写と展開にニヤニヤしてしまう。
よくこんなストーリーが浮かぶよね……。

その設定だけでもワクワクするが、そこに陰謀が絡み、破壊された複数の墓の遺体に共通点あり、ミステリーの様相も呈して、いったいどう着地するのか気になって仕方がない。

まあとにかく悪趣味な話だが、これくらいはクローネンバーグなら当然だから良い。

ダイアン・クルーガーが一人三役、ガイ・ピアースはイメージが全く違う冴えないテックの男役で登場。