MotokiA

ガメラ 大怪獣空中決戦のMotokiAのレビュー・感想・評価

ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)
4.0
2022/08/15

東京タワーの展覧会、特撮のDNAの予習のつもりで鑑賞。おそらく子供のころに映画館で観た以来。

あらためて見ると巨大カメがジェット噴射して飛ぶってかなりぶっ飛んだ表現でテンション上がった。
意外と足だけ噴射のシーンが多い、回転しながら飛ぶのかっこいい…
ガメラの火炎放射が命中すると敵が爆散するのも派手でちょっとツボだった。

特撮の気合の入り方がかなりの熱量を感じた。ギャオスが東京タワーを巣にして夕日の中に佇むシーンがカッコよかった。石油コンビナートあたりでの爆発量すごかった。あれは本物、のはず。セットサイズの爆発だと思うけどすごくスケール感があるように見える。逆にこの時代どう撮っていたのかよく分からなくなる。。

ストーリーも古代文明、遺伝子工学などキャッチーな要素プラス、環境問題など社会問題も盛り込んでいるのが伺えて興味深かった。冒頭でプルトニウムとか放射能関係の話も甘噛みしていたけど特にその後回収されず怪獣との関連は良く分からん。
環境問題や生命倫理などが映画などエンターテインメントに織り込まれてきた歴史などたどってみるのも面白いかも…とか思いながら観ていた。

最近復習した平成ゴジラvsシリーズとの若干の比較になるけど、ゴジラの怪獣たちが基本人間に関心がないまさに災害のようなものであるのに対して、ギャオスが明確に人間を食料として狙ってくる捕食者としての怖さがあったのが良かった。

あと女性の研究者が活躍して、お役所仕事で石頭のおじさんに立ち向かっていく姿が意識的に描かれているのも印象的だった。
政府の危機対応のまずさや、ご都合主義への皮肉などは、シン・ゴジラにも通じてる感じがした。

四半世紀前の映画を観て、環境問題や男女の機会平等や権力の無能や腐敗などが、今も引き続きもしくはさらに悪化した問題として存在していることを改めて認識する。
世の中とか大きなものへの漠然として苛立ちとともに、こういうものを観て育ってきたのにいまだに世界を良くする力を殆ど持っていない自分の不甲斐なさなども感じたりする。
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