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マトリックス リローデッドのsadieのレビュー・感想・評価

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前作はサスペンスとSFの混ざり具合が丁度良く、私程度の人間でもストーリーを追うことができた。

今作は随分と大人な作品に変わり、エロい感じだなぁと思ったら、一方ではむちゃくちゃなアクションがあり、それはそれで楽しいし惹き込まれる部分が多々見られると感じた。

しかしながらやはり相当に難解である。登場人物の関係性から、マトリックスについての構築理論、真の敵はいったい誰なのかといった問題まで、作品の至るところに頭を悩ませながら見ていた。

一作目については、なんとなくマトリックスの世界観を全体把握しておければよかったが、今作はあまりにも膨大な情報が2時間の映像の中に押し込まれており一度見るだけでは把握が不可能である。

さらにはマトリックスの世界を構築している理論みたいなものが、明らかに破綻しているように思え、その壊れかけた理論に振り回されるような感覚も味わうことになってしまった。

たぶん監督や脚本家ですら理論の終着点を決めていないだろうし、ストーリーの行く末も作品を撮りながら継ぎ接ぎしていったのではないのかと思えてしまう作品である。

理論の破綻といえばテネットなんか有名だけど、個人的にはそれ以上かなと感じた。

なんだか悪口みたいだけど、全然そんなことはなく、映像の躍動感やキャラクター性の面白さや、時々80、90年代のSFやアクションで見られるような垢抜けたシーンなんかが見られ、映画好きの心くすぐる作品だと思った。
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