それは近未来、人類は月面に四面的理想郷「スクウェア・パラダイス」を建設。「四面主義機器-スクエアリズム・マシン」と呼ばれるプレス機、矯正器具、美容整形手術によって、身体を立方体のように成形し、全てを四角四面に受け入れる精神的な矯正を受けなくては入れない。 スクエア・パラダイスに心酔するピーター・プレスは、20年間脳内プレス機とともに生活し、やっとスクエアリズム矯正プロセスを終えた。まさしく月面に向かおうとする時、彼はプレス機を外さざるを得なくなる出来事に出くわしてしまう。四角以外の別の形を目にしたピーターは、心の拠り所を揺さぶられ、パラダイスへの入構は危うくなる。 パラダイスに行けば受け入れてもらえると信じ、ピーターは自力で月面に旅立つが、その道程で、心の中の新たな形こそが自分本来の最後の痕跡であることを見つける。スクエア・パラダイスを完成させる最後のピースであるピーターは、その楽園に入るか、それとも自分の真の本質を受け入れるかを決めなければならない。