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ラスト・ソングのhalucaのネタバレレビュー・内容・結末

ラスト・ソング(2010年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ガーン・・。久しぶりにニコラス・スパークスの原作で号泣したから、ウォーク・トゥ・リメンバーのようにこの映画に凄く期待してたのに・・凄く期待はずれ。
今まで映画化されたニコラス・スパークスの小説とは違って、今回はマイリー・サイラス主演で映画を製作するという前提で脚本と小説をスパークスが書いたもの。
小説よりも脚本を先に書いたらしいんだけど、小説で出てくる色んな出来事を映画に詰め込もうとして結局凄く中途半端というか、「これいらなくない?」って思うことが多々・・。しかもそういう余計なことは詰め込むのに、重要な部分というか、描いてほしかった部分が描かれていない。
例えば、ブレーズとマーカスとの絡みがあまりにも薄っぺらすぎて、なんでブレーズと仲良くするのかわからないし、ロニーがブレーズにお金をあげる理由も、ブレーズもロニーからお金をもらっただけでマーカスと別れる理由がわからない。マーカスの不気味さや真の怖さも伝わってこなかったし。
あと、ブレーズがロニーを窃盗犯に仕立てようとしたことも映画では全く不要で意味がわからない。お父さんが「オーナーが知り合いだからかけあってみるよ」だけで終わりなら最初からなくてよかった。
お父さんの人柄も映画だと軽すぎで、何があっても娘のことを信じる優しいお父さんの姿があまり見れなくて残念だった。実際娘が窃盗したって思ってたみたいだし。
ウィルもただの軽い男っていう印象を受けた。原作のように全然深みがない。ゴリラみたいな顔で全然かっこよくないしw
海ガメのシーンも凄く軽かったの一言。
本当に中途半端に詰め込みすぎ。いろいろ伝えたいのはわかるんだけど、多分原作を読んでいないといろいろな出来事の理解に苦しむと思う。
そして描いてほしかったのはマーカスが火事を起こした真犯人であることや、お父さんが家を出て行った本当の理由とか、父と娘の関係の修復とか・・そういうのをもっと観たかった。しかもピアノを弾くきっかけが映画と原作で違うのが一番がっかりした。もっと原作寄りにしてほしかった。あんなにピアノを弾くのを拒んでたのに、なんでウィルのために弾くんだよー!って心の中で叫んだ。
ロニーの最初の反抗的な態度も凄くわざとらしくて嫌だった。つまりロニーのようにいろいろ苦しんでいて葛藤のある人だとやっぱり心情がわからないと全然親近感がわかない。
唯一よかったのは、お父さんと息子ジョナの関係。ジョナがお父さんのことで泣いているシーンとか、ステンドグラスを完成させようとするシーンは思わずグッとくる。ただ原作のように、お父さんが息子に病気のことを打ち明けるシーンとかがあったほうがもっと泣けたと思うけど。

映画はロニーとウィルの恋に重点を置いていて、原作のほうは親子の絆に重点を置いているのが一番の違い。
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