Oppailot

ザ・ロックのOppailotのレビュー・感想・評価

ザ・ロック(1996年製作の映画)
3.0
 かつて脱獄不能の刑務所として知られたアルカトラズ島を、武装蜂起した海兵隊部隊が占拠。彼等の切り札である猛毒ガスが装填されたミサイルを無力化すべく送り込まれた、特殊部隊チームを描いた90年代の大作アクション映画。
 比較的有名な作品であり前々から興味はあったものの、なかなか観る機会に恵まれず令和になってようやく初めて鑑賞しました。評価の高い作品であり、それ故に期待感をもって鑑賞したのですが、事前の期待感が無駄に高すぎたためか逆にこんなものかという印象をもってしまいました。決しておもしろくないわけではないのですが、可もなく不可もなくという印象。序盤はテンポよく進み緊張感もあってかなり引き込まれたのですが……。
 物語のシチュエーション的にミリタリー要素の強い作品を期待したのですが、残念ながら中身はよくある大衆向けのアクション映画といったところでした。ミリタリーファンとしては、むしろ残念なミリタリー描写が目立ってしまい興を削がれる結果に。SEALSが早々に全滅してしまい目立った活躍の場がなかったり、敵である海兵隊の精鋭も元SAS隊員である主人公の相棒も、銃の取り扱いがプロっぽくなかったり。なぜか機首に「AIR FORCE」と印字されたF/A-18が登場したり。特にF/A-18は実機にわざわざ「AIR FORCE」と書き込んで空軍機役をやらされたようでしたが、ストーリー上必ずしも別に空軍がやる必要はない役回りなので、そのまま海軍機ということでよかったんじゃ……と思ってしまいます。もしくは空軍基地で撮影するというわけにはいかなかったのでしょうか。爆撃任務で飛び立ったはずなのに、空撮シーンではなんの兵装も携行しない丸腰の状態で飛んでいるのは映画あるあるのご愛嬌。
 そんなわけでミリタリー映画を期待してみると残念な作品ですが、一般向けアクション映画としては大変良質な作品です。別にミリタリー趣味のない方が暇つぶしがてらにポップコーン片手に見るには最適な映画ではないでしょうか。
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