あーち

Love Letterのあーちのレビュー・感想・評価

Love Letter(1995年製作の映画)
4.2
偶然から始まり様々な物語が交差していくラブストーリー。素直になれない中学生のリアルな恋路を描く過去の回想シーンと、亡き恋人の面影を追う現在を描いている。「好きな子」の前では口下手で素直になれないのは今も昔も変わらず、もう1人の藤井樹と博子の容姿が似ていること、一目惚れだったことなど散りばめられた伏線が一気に回収されていく。両片想いでラストシーンまで全く気づかなかった樹と、卒業アルバムを見て全てを察しジレンマによる葛藤を素直に打ち明ける博子は、例え容姿が同じでも対照的であった。そして何とも、窓から盛れる光の描写が美しい。2人だけの淡い思い出と重なってさらに輝きを増していた。岩井俊二監督の作品は透けた光の美しさを感じられ、中盤にかけて一気に世界観に引き込まれる。名作と呼ばれる映画は時が経っても色褪せない。この作品に出逢えて良かったと思う。
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