あらすじは抜きにして

Love Letterのあらすじは抜きにしてのレビュー・感想・評価

Love Letter(1995年製作の映画)
4.1
高校生の時に見て以来の再視聴

岩井俊二の作り出すロマンチックは誠に唯一無二

当時高校生だった2000年前後に鑑賞した時にも物語の構成やカメラワーク脚本に魅了された反面、とにかくヒロコのキャラクターと脚本がセンチメンタルで気恥しかった覚えがある
平成がそういう時代だったこともあるけれど時代を超えて鑑賞してみると
このウブで繊細な女性像がとても愛らしく作品の美しさと強さを際立たせていることを気づかせます。
時代は巡り巡ると言うけれどまさに令和にエモく際立つ作品なのでは

作品は巧みな構成で
ヒロコ視点と樹(男)視点と樹(女)視点の全てを感じることができ、過去のことを思い出し語るようでいてしっかりと現代に通ずる発見も織り込んで物語が進行する。
それぞれの時系列と思い(視線)を感じながら登場しない樹(男)を存在させているのが素晴らしいなぁ

時を超えた片思いが雪が降るようにひっそりと小さく心に落ちる
全ての立場で考えてさらに切なく愛おしくでも暖かい