亡くなった祖母・時子の遺言で、東京から遺品整理のため新潟県胎内市にやってきた孫娘の莉莉(りり・21歳)。夫亡き後、長く一人暮らしだった時子の家の中で、夫以外の男性との書簡の束を見つけてしまう。両親の不仲で傷ついている莉莉は、大好きだった祖母の秘密に戸惑いながら、祖母の足跡と思い出をたどり、少しずつ自分の葛藤を乗り越えていく。そしてそれは、遺品整理を託した時子の、莉莉へ伝えたかったある「想い」だった…。新潟県胎内市の千本桜の美しさをイメージに、水音響く本町通りや町の人たちの交流を通し、一人の女性の人生と、孫娘の成長を描く、心温まる物語。