オーストラリアのクレイアニメ。ニューヨークに住むアスペルガー症候群の中年男性とオーストラリアのいじめられっ子の少女の20年にわたる文通と心の交流を描いたお話。孤独でつらい境遇にあり感情表現も下手な2人にとって、手紙は自分の心を素直に映し出すことのできる唯一無二の手段だったんだろうな。顔を合わせるとなかなか上手く伝えられないことも、文字にすることで自分の気持ちを整理できるってこと、あると思う。心の傷や陰を理解し癒しあい、時にはすれ違い紆余曲折するやりとりは、とても温かいけれど孤独を舐め合うようでもあり、なんだか切ないです。人間の内面に焦点を当てた重めのテーマ、ところどころに感じる皮肉っぽく辛辣な空気、ちょっぴり残酷な描写をあっさりと描く作風は完全に大人向けですね。キャラクターの外見もメアリーはともかく他はちょっとクセがあるので好き嫌いが分かれるかも。ただ、クレイアニメにすることで、辛辣で重くシリアスな空気が少し和らいでいますね。画面を覆うセピア色がいい感じでした。”人間は皆、不完全だ、欠点は選べない” ” 親類は選べないけど友達は選べる” という言葉が印象に残りました。
