夫婦がそれぞれ同じ夜に不倫をしてしまう話だけど、その始まりが爽やかに描かれているのが新鮮だった。2人とも過ちを犯してしまうことに後ろめたさがあって、お互いがなくてはならない最愛の人だと気付くのだけれど、そう思ってお互いのもとに戻った時にはすでに2人の間に何かが失われてしまっていて…。だから、最後の場面にはハッとさせられて少し怖かった。
ある境界線を揺れ動いているような2人の心理描写がニューヨークの夜の高揚感のある空気感やきらめくプールの水が揺らぐところからも読み取れるような気がして、とても繊細で美しかった。