唐山大地震のftheminionのネタバレレビュー・内容・結末

　42万人の死者を出した唐山大地震で被災し生き別れになった家族の32年に渡る壮大な物語。双子の姉弟のうちのどちらかしか助けられないと救援隊に迫られ追い詰められた母が仕方なく息子を選び娘を見捨てる冒頭から家父長制に支配された社会ならではの話しだった。
　まず選ばすなよっていうのが大前提にあるのだけれど、やはりそこで最終的に選ぶのは息子だということ、人知れず奇跡的に息を吹き返した娘が幾多の葛藤と32年の時を経て、唐山へ戻り母を許すのも家父長制には抗えないという諦念があるからなのだろうと思った。

　娘が妊娠出産してからどうやって生計を立てていたのかやカナダ人と結婚した経緯、息子は結構成功しているっぽいが何の仕事をしているのか、そのへん謎で困惑する。また役者が老けメイクをしないため20年くらい経過しても全く年を取らず若いままで混乱するが、細かいことは気にしないのが大陸的なおおらかさなのだろうか。

　感嘆したのは70年代から2000年代における中国の都市の発展で日本の変わらなさが空恐ろしくなる。