若きガラス職⼈ヴィンセントは、師匠である⽗と街の中にあるガラス⼯房で、⼀緒にガラス⼯芸を作りながらに静かに暮らしていた。穏やかな⽇常は、ある⽇突然訪れた軍⼈の親⼦―陸軍⼤佐と、その娘でヴァイオリニストのアリズによって揺らぎはじめ、国が戦争と混乱の渦に巻き込まれると、その静寂は次第に砕かれていく。ヴィンセントとアリズは、ガラスと⾳楽という異なる芸術を通して、互いの⼼に静かに触れていくが、彼らの間に⽴ちはだかるのは、親の価値観、社会の階級、そして戦争だった。この物語は、古い価値観が重要視されていた時代に、それでも「愛すること」「信じること」「表現すること」をあきらめなかったふたりの軌跡。⼈⽣はガラスのように壊れやすく、でも美しい――
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