Ririko

お引越しのRirikoのレビュー・感想・評価

お引越し(1993年製作の映画)
3.7
【元気しようゼィ!】
90年代の日本の夏良き。京都の祭りの風景も良き。

レンコはどこか言動は大人びているけど、両親が離れるのを必死に引き止める姿は健気で、自分勝手なところは年相応の子供。

子供は、大人の事情なんて知ったこっちゃない。行き場のない気持ちは自分の中で処理するしかないけど、まだそれは難しい。

人生思うようにいかないこと、忘れたくないのに忘れてしまうこと、それは数多くある。
元気でいれば、生きてさえいればいいのだろうけど、大切な人にはやっぱりそばにいてほしい。

最後、レン子が「おめでとうございます」と言うシーンが印象的だった。
何に対してのおめでとう?と思ったが、子供心とは決別できて少し大人に「お引越し」できた自分に対しての言葉かな…?
ならこのタイトルの付け方はすごい。

頑張ったって上手くいかないこともある、とレンコは学んだのだろう。それが大人になるってことかもしれないが、少し切ない。

○印象に残った言葉
「変わるって、何が変わるの?」
「家が二つ、それでええやんか」
「何が契約や 何が当番や」
「分かんないうちに変わっていくなんて変やな」
「娘やってだけで何が分かんの?」
「お父さんは私に考える時間くれんかったやろ」
「親がバラバラやから悪くないん?」
「縄を回すのに疲れてしまったんや」
「お父さん、私のこと好きか」
「昔の思い出は片手で数えられるくらいで十分」
「うちあんたのこと何も見てへんかった」
「早く大人になるから」
「私を1人にせんといて」
「来年もまた来よな」
「まだちょっとしんどいけど、ニコニコしてる時間が増えてきました」
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