両親の別居(≒離婚)を機に大人の階段を登り始める少女の物語。
過去作『台風クラブ』とは全く違った視点で若者の心情を捉えていた。快活な外面の裏で両親の離婚への漠然とした不安を抱え、合理的とはいえない方法で大人へ牙を剥く。物語が進むうちに達観した視点を獲得し始め、終盤の幻想的な映像(少女の精神世界?)は圧巻だった。
それらのシークエンスや装飾、両親の演技はとても素晴らしかったけれど、やはりレンコを演じた幼少期の田畑智子さんあってこそ成立した映画だと思う。お茶目な関西弁がキュートだった。エンドロールに至るまで映画。