中学生の頃美術の先生が見せてくれたキッドが、とても記憶に残っててそこから彼の作品の魅力を知ったのだけれど、どうしても喜劇の印象が強かった私の中でこの作品はどうしても手が出せなかった。
いざ見てみたら、彼の初のトーキー映画でとても新鮮だったし、無声映画に拘っていた彼が声を上げてまで伝えたかったことが詰まっていた作品だった。
作中では、ヒトラーを模したヒンケルが怒りっぽい性格の中に臆病さが垣間見えたり、かなりヒトラーを皮肉っているようにも見える。
何より最後の長セリフの中にチャップリンの考え方、この映画を通して何を伝えたかったのかが全て詰まっている気がした。